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お知らせ - 川の自由

川の自由

カテゴリ : 
随筆
執筆 : 
ecomaster 2010-4-10 10:40
かんたんに言えば、「河川工事では、川に自由を与えよう」であった。近自然工法という河川工法が最近注目を浴びている。

この工法の提唱者であるクリスチアン・ゲルディさんがお嬢さんと一緒にスイスから青森に来て話をしてくれた。
ゲルディさんによれば、川に対して、洪水などによって安全を損なわない限り何もしないことを理想とし、それに近い工法を探るのだと。
岩木川を見て一番驚いたのは、「土手の内側の河原にリンゴの畑があること」だと言った。「スイスでは二十三州あって、州ごとに規則はそれぞれ違うけれども、こんなリンゴ畑は許さない。」

無農薬・無肥料ならともかく、そうでないなら施すものはみな河川に流入していく。汚染と富栄養化を起こしてしまう。川は人間だけでなく、植物、昆虫、魚などいろいろな生物のものなのだから。
「川幅を狭めたり、流路を真っ直ぐにしたりするのは、川を不自由にすることだ。そうしたときに雨量が予想を超えれば、川が堤防を切るのは当然のことだ、」とも言う。
川岸の道路をつぶして河原にもどす。土手の幅を広げる。「蛇行してながれる自由を川にもどすべきだ。」
今年ヨーロッパで五百年に一度の洪水が起きたが、「この洪水に対して近自然工法はどんな意味を持つのか、」自ら問い直しながらの話であった。
これを聞いているのは建設コンサルタントや工事事務所の人たち、いわゆる土木工事関係者が多かった。
いままでは川をコンクリートで固め、三面張りなどの形にはめ込む。できた川岸の土手空間に道路を造る。道路にとって、そして土地利用のために、川は真っ直ぐの方が都合良かった。川は邪魔なものであったのだ。
川は排水やゴミの流出路でもあった。だから小さな川にコンクリートでフタをして道路を造った方が、住民は喜ぶ。子供にとって危険な川はいらない。
しかしながら川をドブ川にし道にして失われたものは、夏の涼しさ、ホタル、カエル、魚、川遊びである。
いまこれらの楽しさ、ありがたさを知る人が減ってしまった。そして川の危険性もわからなくなっている。

下水道を整備したら、ドブ川に鮎や鮭が戻って来はじめている。自然の回復力である。これはいままで川から奪ったきれいな水という自由の一部をもどしたことによる。
便利と感じていた土手の道路を、別の場所に住人を説得してもう一つ造ることにすれば、川幅を広げることができる。
ゲルディさんが繰り返し言ったのは、話し合って、説得して、川の自由を理解してもらうこと、であった。
いままでと考えを変えて、コンクリートをはがさねばならないけれど、市民が考え、声を上げなければ、お役所を変えることはむずかしい。川に自由を与えられるか。それは川に住む生物にも、それを楽しむ人間にも、自由を与えることになるのだが。



鶴見実
弘前大学 理工学部 地球環境学科 大気水圏環境学講座 教授
HEP21理事長

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